2005/12/04

ハーフタイム


 最終節は、ここ数試合と同じよな内容で進み、ここ数試合と同じように善戦し、そしていつものように負けなかった。しかし、4万人を超える観衆の中、残りの数分を耐え抜き優勝を掴む事は出来なかった。自分がピッチに立てなかった事が、そして何よりチームの全ての人の積み重ねと願いが、優勝まで届かなかった事が未だに悔しい。

 スタジアムの最上段は結構な高さがあり、試合を観戦するとまるで上空から見ているかのようだ。この視野を持って試合を出来れば楽しいだろうといつも思う。当日のハーフタイム。メンバー外の選手が、それぞれの思いを込めてピッチを見守る。

2005/11/30

最終節


 今年から1シーズン制のリーグとなり、その最終節を今週迎える。開幕を3連敗でスタートしたチームが、目先の結果を求めるのではなく、一つずつ細かい修正を加え続ける事で、負けしらずの首位に立つまでになっている。毎週のビデオミーティングで、「ここは、こうした方が良かった。」と繰り返される事は、最初は机上の論理のようにも思えた。しかし、映像と言葉、そしてピッチでの練習で、繰り返し戦術を理解する事により、チーム全員に揺ぎ無い共通理解が出来上がったように思える。昨年の状況からの変化の渦中にいる事ができ、また新たにサッカーを学んだシーズンだった。

 練習は非公開になるようだが、これまでの33試合同様に、土曜日の試合までの練習の流れは変わらないだろう。普段通りに準備をして、試合に出る出ないにかかわらず、チームが勝つためにそれぞれやれる事をやるだけ。長丁場のリーグ戦の最後で、満員の長居スタジアムに歓喜の輪が出来る事を期待している。

2005/11/07

季節


 都会に住んでいると、季節の変わり目を感じる対象は限定されやすい。自然の移り変わりよりも、ショーウィンドウにディスプレイされる商品や、街のイリュミネーションの方が、季節が秋から冬へと近づいていく事を知らせてくれる。車で移動することが多いと、尚更である。今週ようやく、仕舞ってあった冬服を引っ張りだして、洋服棚へと並べた。

 概ね気に入って生活している大阪ではあるが、あえて悪いところを一つ。それは空気がきれいでは無い事だ。大型のトラックが、エンジン音を唸らせて街中を行きかっている。セレッソの練習場は、難波や天王寺といった繁華街からもほど近く、周りには多くの住宅地もあるのだが、練習中のグラウンドには、排気ガスの臭いが漂っている事も多い。

 雨がしっかりと降った翌日は、空も澄み、空気がきれいに感じられるのが嬉しい。写真は排気ガスで汚れた道路の防音ガラス。

2005/09/14

残暑


 9月も半ばに差し掛かっているが、大阪の暑さはなかなか衰えてこない。溶けるような午前中の暑さを避けるために、最近は午後にトレーニングをする事が多くなっている。グランドには、人がすっぽり入るような大きなバケツにキンキンに冷やした氷水が用意されて、給水のたびに多くの選手が、頭から水をかぶり体を冷やしている。街並みの多くをアスファルトで覆われているせいか、大阪の気温は陽が沈んでもあまり下がらず、帰宅して犬の散歩に、ほんの10分も出掛けると、朝方や就寝前の時間ですら、うっすらと汗を掻いてしまうこともあるくらいだ。

 暑い中を自転車で行く練習場への道のりは、ひっきり無しに通り過ぎるトラックの排気ガスを避けるために裏道を通って行く。川沿いを走っているためか、家を出てからグラウンドまで、中小規模の町工場が途切れる事がなく続いていて、鉄パイプや鉄板、ワイヤーやネジなど、ありとあらゆる部品を作り出す工場から、エンジンと大きな機械のウィーンという重い音が聞こえてくる。油の臭いと鉄のぶつかる音を感じながら、練習場へと向かう。

2005/07/04

グアムキャンプ


 9日間のグアムキャンプから帰国して、Jリーグが再開してる。グアムでは、気温は30度を超えてはいたものの、思っていたよりもカラッとしていたので、体は良く動いていた。直射日光に肌がじりじりと焼かれていく感触が、体に暑さを感じさせたが、毎回の練習終了と共に、同じ施設内にいくつもあるプールに飛び込んで体を冷やせたので、最高に気持ちが良かった。トレーニングキャンプは、外界との接点を断ち、精神的にも肉体的にも必死に乗り切るという、山籠りのようなイメージがあったが、リゾートホテルで部屋も広く、緑の多い景色も美しい今回のキャンプは、とても新鮮だった。

 大阪の戻ってからの一週間は、ほとんど雨が降らず、連日気温30度を越える中での練習は湿度も加わり、グアムでのキャンプよりも過酷だった。最近、晴れの日には、自転車で南津守の練習場まで通う事が多いのだが、25分ほど自転車をこいでグラウンドに着くと、ウォーミングアップが終わったかのように汗が吹き出す。帰りも同じで、練習後にシャワーを浴びても、家でまた浴びる羽目になる。それでも、自転車で大阪の街を走ると、今まであまり見ることのなかった、街の細部まで見る事が出来てなかなか楽しい。

 写真は練習場近くの津守商店街で。こんなアーケードの商店街が、大阪の街のあちこちに点在している。強い日射と湿度で呼吸する空気も生ぬるいような日だった。

2005/05/16

大阪ドーム


 五月に入ってからは、半袖短パンという夏スタイルで練習する日が増えるようになった。更にうだるような暑さになってくるとノースリーブのシャツで練習する事になる。数年前までは無かったスタイルだ。プロ入りした頃に比べると、練習着は年々より機能的になっている。

 日本平でのエスパルス戦の前夜の事。夕食後に歌とケーキで、誕生日を祝ってもらった。キャンプ中や試合の前泊の度に、チームに誕生日の人がいれば、皆で祝っていたのだが、自分の誕生日は当日では無かったので、予想していなかったぶん嬉しかった。多くの新加入の選手が加わってスタートしたチームは、皆で大きなケーキを食べて、時間とリーグ戦を積み重ねてだんだんと、まとまってきている。

2005/04/24

関西


 先週のオフに、大阪から西宮方面に車を走らせて武庫川の渓流沿いを訪ねてきた。今まで関西を試合で訪ねた事は何度もあったが、大阪の外を車で走るのは初めてだ。当日は、地図をコピーしたりインターネットで大げさに情報を収集してから出発した。

 カーブの続く山道を車で走ると、ところどころで街よりも少し遅くに咲き始めたと思われる山桜が、見事にピンク色のトンネルを作っていた。風に吹かれる度に車のフロントガラスに舞ってくる大量の桜の花びらが、とても印象的だった。休みの日には、足を伸ばしてみるものだ。中国道から神戸方面への長いトンネルを抜け、神戸市内で少し買い物をしてから、大阪へと戻った。

 埼玉遠征で浦和に勝利して、4月に入って積み上げた勝ち点は10となった。開幕から3連敗した後も、チームとしてやってきた事を変えずに継続している事で、ようやく内容に結果が付いてきた。ディフェンス時の集中力も格段に高くなっている。出場時間は短いが、コンディションとプレーのレベルを高いレベルで保ち続けて、来るチャンスに準備していきたい。

2005/04/10


 大阪の街のあちこちで、市の花でもある桜が咲き誇っている。桜の咲く時期に日本にいる事も久しぶりだったので、池のほとりの公園に桜の花を見に行ってきた。翌日には、夜桜が見えるカフェで夕食を取り、今年は桜を満喫する春になった。

 桜を意味するセレッソがこの時期に、ようやくながら大事な一勝を挙げる事が出来た事はとても嬉しい。これまでのどの試合も、勝ち点を挙げていておかしくなかっただけに、このタイミングで良い方向に流れを変えなければいけない。今週は、今期初めての連戦になる。

2005/03/22

通勤風景


 大阪の街のあちこちで、市の花でもある桜が咲き誇っている。桜の咲く時期に日本にいる事も久しぶりだったので、池のほとりの公園に桜の花を見に行ってきた。翌日には、夜桜が見えるカフェで夕食を取り、今年は桜を満喫する春になった。

 桜を意味するセレッソがこの時期に、ようやくながら大事な一勝を挙げる事が出来た事はとても嬉しい。これまでのどの試合も、勝ち点を挙げていておかしくなかっただけに、このタイミングで良い方向に流れを変えなければいけない。今週は、今期初めての連戦になる。

2005/03/16

大阪


 大阪での生活も落ち着いてきた。1月24日のチーム始動の前日に大阪に入り、3週間の高知・宮崎キャンプを経てからようやく引越しをする事が出来た。実際に大阪で生活するようになって3週間が過ぎた事になる。
 外国にいた時もそうしていたが、新しい部屋の壁には、大阪市の大きな地図が貼ってある。毎日、車で走った道をなぞったり、その日に行った場所を地図上で確認しているお陰で、市内をややこしく縦横に走る「通り」と「筋」の名前も大分覚えた。同じ日本とは言え、今まで住み慣れた関東とは街や人の雰囲気が違うので楽しいし、良い緊張感を持って生活できている。何よりも、新しいチームでの競争や、1シーズン制となったJリーグで、毎週勝ち点を積み上げなければという状況が、大阪での新しい生活をよりサッカーに集中させてくれている。
 練習は例年になく長くハードではあるが、開幕を過ぎてからも体のキレが増してきているのを感じている。怪我に注意しながら、引き続きコンディションを上げて行きたい。

2005/01/15

帰国前


 モンペリエでの最後の夜となった昨夜、以前に牡蠣養殖場へ連れて行ってくれた友人が夕食へ招待してくれた。やはりこの日もメインは山盛りの牡蠣。牡蠣を食べるときには必ず出すという、スペイン産の白ワイン”ペスカドール(漁師)”もテーブルに並んだ。食事はいつまでも続くかのように、ゆっくり、ゆっくりと進み、日付が終わる頃にようやくお開きになった。

2005/01/13

アルプス


 午前中に車で出発して、3時間ほどかけてアルプスの麓の街へ知人を訪ねた。約束の時間まで時間が空いたので、その日からセールが始まり、人でごった返している街を散策した。プロバンスやモンペリエの在るラングドック地方とは、建物の雰囲気が大分違う。古い建物と建物の間から、雪をかぶったアルプスの山々が垣間見えるのが綺麗だった。遅くなったので、そのままホテルに泊まった。

2005/01/12

カーヴ巡り


 朝からピク・サン・ルーの麓まで行き、ワインのカーヴを2箇所回って来る。モダンなデザインで木造建築の物と、18世紀の屋敷を買い取った石造りの伝統的な物とで対照的ではあったが、どちらもオーナーのワイン造りへの情熱が伝わってくるカーヴだった。

 夕食は、そのまま仲間と郊外のレストランでフランス料理を4時間近くかけてゆっくりと味わう。贅沢な一日だ。写真は途中で立ち寄ったカフェで。フランスは犬天国だ。

2005/01/11

パラバス


 ぶらぶらと買い物をしてから、海沿いのリゾート地であるパラバスで知人に会い昼食を取った。ヨーロッパ中からの観光客で賑わう夏場と違い街は物静かだったが、ムール貝で始まったランチは美味かった。

 夕方から今度は山方面へ車を走らせ、ピク・サン・ルーへ向かい別の友人と会う。ピク・サン・ルーはモンエリエ郊外から無限に広がる葡萄畑の先に突如現れる、切り立った巨大な岩山だ。モンペリエの素晴らしいところは、夏場の完璧な気候も然ることながら、美しい街並みの快適な都市部に暮らしながら、海まで10分、山まで20分足らずで行く事の出来る環境の良さだと思う。

2005/01/10

2005-1


 決勝戦に出場する事は無かったが、スタッフを含めチーム全員で勝ち取った今回の天皇杯は、印象に残るものとなった。
 2日からのオフを、地元での初蹴りや買い物などリラックスして過ごした後、7日から再びフランスを訪れている。モンペリエの知人の家に宿泊して1週間程をのんびり過ごす予定だったが、色々と予定が入り思ったよりも忙しいヴァカンスとなりそうだ。

 今日は友達のプレーする18歳以下のチームの紅白戦を見に行き、その後、夜は知人の50歳のバースデイパーティーに参加した。紅白戦は18歳以下とはいえ、プロを目指す選手も多く在籍するチーム(ラングドッグ地方1部リーグ所属で上には全国1部が存在する)なので、技術レベルも意識も高く見応えのあるものだった。若年層のチームもトップチームと同じように、全国リーグから地方のリーグまでがピラミッド型にオーガナイズされているため、プロを目指す選手がチャンスを求めて移籍する事も頻繁だと言う。その友人も昨年プレーしていた下部リーグのチームから実力を買われて移籍してきたばかりだ。そんな大勢の選手のうち、ほんの何人かの優れた選手達が、サッカー協会直属のエリートチームであるナショナルトレーニングセンターや、ビッグクラブの育成組織に所属することになる。

 バースデイパーティでは新年の挨拶も兼ねてキスの嵐にあい、フランスに来た事を実感した。食事も余興も存分に楽しんだが時差ぼけに負けて夜の12時には床に就いた。パーティーは朝4時まで続いたらしい。

 写真は紅白戦。多くの年配のファンが集まっていた。

CFA2


 夜更かしを引きずって家族皆で昼前まで寝過ごしてしまったので、起きてすぐに着替えて街を一周ランニングする。昼食後に車で1時間ほどの街ベジエに、知人の出場する試合を観に行った。CFA2という5部に相当するリーグなのだが、ベジエはもともと1部で優勝経験も有るチームだ。観客はそれ程多くは無いが、勝ち続ければ数年後には1部リーグに返り咲く事も出来る。小さな子供から老齢のファンまで、人々の地元チームへの応援は熱かった。写真はハーフタイム、スタジアムの中にあるカフェで。試合後はこのカフェで、両チームの選手と関係者に軽食が振舞われた。