2010/04/13

2010


 群馬では冬から春先にかけて嵐のような突風が吹き荒れる日が多くある。 昨年に越してきた頃は、あまりの突風と、その風の止む気配の無さに、これからの生活の不便さを残念に思えたものだった。

 新しいシーズンが始まって、同じ街での生活も2年目を迎えている。突風には慣れることは出来なかったが、それでも昨年と同じように、いつの間にか風はなくなっている。毎朝の犬の散歩コースにある麦畑は、これから昨年と同じように順調に育ち、梅雨前の収穫が終わると、今度は水路から水が引かれて同じ場所に稲が植えられるはずだ。住んでみて初めて知る事が多いからか、地元の人が多く住む中混ざって住んでいるからか、目の前にあるのは何気無い自然の移り変わりなのに、日々群馬を好きになる。これまで住み慣れた頃に次の街に移ることの多かった自分にとって、自然の豊かな群馬でまた新たな四季を迎えられる事を嬉しく思う。

 リーグ戦では、昨年と同じような好スタートを切ることは出来ていない。しかし、ザスパ草津にとって毎週末にやってくる試合は、どんな状況であっても、その1試合1試合がこれまでの長い苦労を元に得たチャンスだと思う。思うように結果が出ない状況で、未だなかなか今年のサッカーの色を表現する事は出来ていない。しかし、苦境を体当たりで乗り越えてきたクラブとしての色がグラウンドで滲み出るような、そういう試合をしていきたい。

2009/03/19

2009


 群馬にやって来てから2ヶ月になる。練習場への行き帰りに運転席から綺麗に見える赤城山。麓から長くなだらかな斜面が続き、ゴツゴツとした山頂側に向かうに連れて勾配も輪郭も険しくなる。赤かったり青かったり、雲に隠れたり薄白く雪を被ったりと日々その表情を変える姿は魅力的で、子供の時からこういう形の山を好きだった事を思い出した。未だ自分にとっては、そこに赤城山があるのは当たり前ではなくて、日々、山のシルエットが目に入った瞬間に、新鮮な空気を一杯に吸い込んだような気持ちになる。

 ザスパ草津は、他のチームがまるで当たり前のように所有している物を、一つ一つ手を伸ばし、苦労して掴んで手に入れてきたチームだ。練習グラウンドや様々な施設、J2に昇格したことや昨年の初の連勝も、チームの全ての財産は選手とチームとサポーターが作った歴史の中にある。

前節チームは福岡に初めて勝利し、それはザスパにとって初めての開幕連勝スタートとなった。90分走り抜いて結果を残し、それがEVER ONWARDという文字と共にチームの歴史に刻まれる。試合終了の瞬間、やっとチームの一員になれた気がした。


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 プロジェクト・エスペランサの活動として、昨年の夏の『パラグアイフレンドリーカップ』で行われた、チャリティーオークションの収益から、3回目となるパラグアイの子供たちへのサッカーボール寄贈が行われました。(詳しくはプロジェクト・エスペランサHP内のプロジェクトエスペランサblogから)チャリティーオークションに参加していただいた皆様に感謝しています。南米から遠く離れた日本で、今後も様々な形を模索しつつ、サッカーへの情熱の原点の一つでもあるこの活動を続けていくつもりです。応援よろしくお願いします。

2008/12/15

追想


 時々ふと、ついこの間まで母の病院に通っていたという事が不思議に思える時がある。亡くなるまでの最後の2ヶ月、毎日のように家族が集まり、ああだこうだと話をして、皆でお茶を飲んだり母の足をマッサージしたり、時にただぼんやり過ごしたり。それは自分の人生に於いて何物にも代えようの無い、宝物のような大切な時間だった。偶然かもしれないが、この3年間を病院からそう遠くないヴェルディというクラブでプレー出来た事に深く感謝している。

 ヴェルディで過ごした時間、これまでのキャリアの中で一番、自分のプレーがイメージに近かったように思う。チームはいつもギリギリの状況が続いていた。それでも、どんな時でもプレーしていて本当に楽しかった。だからサポーター皆の「ありがとう」と言う別れの言葉に対し、自分が返す言葉も「ありがとう」になる。サポーターの期待と励ましと声援と、逆境や感動を共有できた事に。本当にありがとう。

 サッカーをキャンバスに喩える事があるが、それならばヴェルディは既に一度完璧に完成された絵だ。Jリーグの歴史が続く中で、人間が入れ替わりつつ、それぞれが日々一筆ずつ足して、なお絵として新たな魅力を持ち続けるというのは簡単な事では無い。大きくバランスを崩したり何かを失ったりする事もある。ただ、大事なのはその過程を経てクラブから伝わってくる直向さやヴィジョンなのであって、そこから発せられる強いメッセージが、将来への期待や夢になってサポーターを惹きつけるのだと思う。

 ヴェルディが今後もヴェルディらしくありつつも、新たな魅力の種を蒔き続けるクラブである事を期待している。

2008/06/13

アヒルと猫


 ナビスコカップの予選が終了して、Jリーグは中断期間に入った。束の間のオフを挟んで、御殿場でのミニキャンプからは、チームにとっても自分にとっても仕切り直しになる。

 少し前になるが、キリンカップのパラグアイ代表として来日した、セロ・ポルテーニョ時代の仲間に会うことが出来た。選手が2人にドクター2人。そのうち2人のあだ名は「パト」と「ガト」。雰囲気が似てるからという理由で、そのままアヒルと猫である。思えば彼らのおかげでスペイン語の「アヒル」と「猫」はすぐに覚えた。他にもチームには、ニワトリに猿、コウモリや虎や牛などもいたから、自分のスペイン語の語彙は簡単に増えていった。
「やっと日本に来られた。本当に美しい国だね!」

 南米を出てからもう6年が経っている。同じフィールドではなくても、お互いに世界のどこかでサッカーを続けてきた。また彼らに出会えた事、そしてパラグアイで自分が幾度となく説明させられた日本という国を、少しでも知ってもらえた事が嬉しかった。

 写真は束の間のオフに。

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 先日、プロジェクト・エスペランサの活動として、パラグアイの子供達へサッカーボールの寄贈が無事に行われました。(詳しくはプロジェクト・エスペランサblogから)皆様の本当にたくさんのご協力に感謝しています。一張羅のユニフォームを着て集まってくれた子供たちの笑顔は、自分の知っているあのパラグアイの子供たちそのままです。その様子は遠く日本からでも目に浮かんできます。本当にありがとうございました。今後も様々な形を模索しつつ、活動を続けていくつもりです。応援よろしくお願いします。

2008/04/11

フラッグ


 この春から、家から歩いてすぐのところにある商店街に、ヴェルディのフラッグが掲げられるようになった。自分のプレーするクラブの旗が、自分の住む街にはためく。このJリーグでも当たり前ともなりつつある事は、広範囲に散らばって住んでいるヴェルディの選手にとって、今まであまり経験の無い事かもしれなかった。これがなかなか嬉しい。J2から再びJ1に舞い戻って、クラブはまた少しずつ新しい歴史を作っていかなければならない。明日は3年振りの東京ダービーだ。
 残念なことに、久し振りの怪我で今回のダービーには出られない。症状は思ったよりは軽く、初期治療が効果的だった事もあり、順調に回復している。しっかり治して最高のコンディションに戻してから、そのころ昇り調子であろうチームに合流できたらと思う。


 だいぶ時間が経ってしまいましたが、昨年の「プロジェクト・エスペランサ」のチャリティー活動の成果として子供達に手渡すボールが完成しました。たくさんのご協力ありがとうございました。近々、配布の様子もプロジェクト・エスペランサblog上にてお伝えできると思います。